(1998.5.15)インドの再度の核実験に強く抗議する(インド首相)

インド・バジパイ首相 殿

被爆国日本の医師・歯科医師としてインドの再度の核実験に強く抗議する

  貴殿は5月13日にも世界の厳しい批判を無視してふたたび核実験を強行した。われわれ、被爆国日本の医師・歯科医師はこれに強く抗議するとともに、いっさいの核兵器開発・保有の計画を破棄するよう貴殿に強く求めるものである。

 貴殿の歴代政府は、非同盟運動で主要な役割を発揮し、そのなかで期限をきった核兵器廃絶の実現を緊急課題として訴えてきた。NPT(核不拡散条約)、CTBT(包括的核実験禁止条約)について、「核大国だけが核兵器を保有できる差別条約」として批判してきた。しかし、そのことによって、今回の貴国の核実験・核兵器保有計画を、いささかも正当化できるものではない。

  われわれ核兵器廃絶をめざす富山医師・医学者の会は、あらゆる国の、いかなる形態における核実験をも全面的に禁止し、核兵器を緊急に廃絶することを求めてきた。人々の健康と生命を守る医師・歯科医師の立場から、今回の貴国の核実験に強く抗議するとともに、貴国政府が核兵器保有計画を中止し、核兵器廃絶の実現のために努力することを断固求めるものである。

1998年5月15日
核兵器廃絶をめざす富山医師・医学者の会
代表世話人  佐々 学