(2003.9.20)米国の臨界前核実験の実施と小型核兵器開発に抗議する

声明

米国の臨界前核実験の実施と小型核兵器開発に抗議する

 米国ブッシュ政権は今このとき、世界の非難を浴びながら臨界前核実験を強行した。アメリカの臨界前核実験は、1997年以来通算20回目、ブッシュ政権下では7回目となる。我々は、世界で唯一の被爆国の医師・医学者の立場から、断固抗議の意を表明する。

 また、16日の米国上院において小型核兵器の研究を含む来年度の予算案が可決された。これは、通常兵器を補い、今後使用する可能性の高い小型核兵器の研究に関し予算化したもので、核戦争の危険をいっそう強くするものである。たとえ小さくとも核兵器は核兵器であり、いま我々は湾岸戦争やイラク戦争でアメリカが使用した劣化ウラン弾の環境汚染と放射線被害の実態を日々目の当たりにしている。

 米国の先制攻撃によって引き起こされたイラク戦争は、ブッシュ大統領の終結宣言にもかかわらず米占領軍への攻撃が続いている。未だ発見されない大量破壊兵器と情報操作で米への批判が高まっているこの時期に、世界の反核平和を願う多数の世論に背を向ける暴挙と米議会の態度は断じて許すことはできない。

 私たちは、全ての核実験と核戦争につながるあらゆる計画を中止し、国際的合意である核兵器廃絶のための「明確な約束」の実行を開始するよう米国ブッシュ大統領と米国議会に対し強く要求する。

2003年9月20日
核兵器廃絶をめざす富山医師医学者の会世話人会
連絡先:富山市桜橋通り6-13 フコクビル11F
富山県保険医協会気付
電話 076-442-8000
世話人代表 片山 喬