(2003.11.26)米国の小型核研究の解禁に抗議する

声明

米国の小型核研究の解禁に抗議する

 ブッシュ大統領は11月24日、小型核兵器開発に道を開く国防権限法案に署名し、同法は成立した。これらによって米国の国防予算は、東西冷戦時代を上回る44兆円となった。この金額は、ほぼ日本の税収総額47兆円に匹敵する驚くべき数字である。

 小型核の爆発力は、広島型原爆の三分の一以下とされているが、核は核であり、人間と環境に取り返しのつかない害を及ぼす。ブッシュ政権は、地中貫通型小型核は放射性降下物が少ないと主張するが、根拠はない。それどころか、技術的に可能な深度である10メートル程度では、地表爆発型より降下物が多く、放射能による二次被害は大きくなると、米議会調査局の報告書は指摘している。

 91年の湾岸戦争の帰還兵にいわゆる「湾岸戦争症候群」が現れたり、イラクの子どもたちに白血病が頻発している原因は、ブッシュ政権は認めようとしないが、大量に使われた劣化ウラン弾によることは明らかである。この核爆発を伴わない放射能兵器でさえ、深刻な健康被害と環境破壊を引き起こしている。

 唯一の被爆国である日本の医師は、核兵器が一瞬にして多数の命を奪うだけでなく、その放射線被害がいかに長く人間の体を蝕むのかを知っている。私たち核兵器廃絶をめざす富山医師医学者の会は、地球上から核兵器をなくしていくために、核戦争につながるあらゆる計画の中止を、ブッシュ大統領と米国議会に対し強く要求する。

2003年11月26日
核兵器廃絶をめざす富山医師医学者の会世話人会
連絡先:富山市桜橋通り6-13 フコクビル11F
富山県保険医協会気付
電話 076-442-8000
世話人代表 片山 喬