(2003.12.22)イラクへの自衛隊派遣に反対する

内閣総理大臣 小泉 純一郎 殿

イラクへの自衛隊派遣に反対する

 今月上旬、政府はイラクへの自衛隊派遣基本計画を閣議決定し、18日小泉首相は実施要領を承認した。そして25日にも航空自衛隊を派遣して、後続の部隊受け入れの準備に当たらせようとしている。しかしフセイン元大統領の身柄が拘束されるなどの動きはあっても、イラクは米・英軍占領下にあり、戦闘状態は今なお続いているとみなければならない。

 小泉首相は記者会見で、「日米同盟を強化しつつ、国際社会と協力していかなければならない」等とアメリカとの同盟関係の強化を強調した。そしてこともあろうに、日本国憲法の前文の一部を引用し、イラクへの自衛隊派遣は日本国憲法の理念に沿ったものだと述べた。しかしこの説明は、日本の侵略戦争の反省という意味で使われている「自国のことのみ専念してはならない」という憲法前文を、逆手にとって国民を惑わしている。多くの識者が指摘しているように何の説得力も持たないばかりか、一国の首相としての良識さえ疑われるものである。

 21日に実施された毎日新聞の世論調査によれば、米軍支援を主目的とした自衛隊派遣には、反対が54%、賛成は35%にすぎないという結果である。我々は日本国憲法の平和主義の理念に則った、わが国の自主的なイラク復興支援策の構築を望むものである。「国益」の名のもとに、日本を戦争に駆り立てる小泉内閣のイラクへの自衛隊派遣に反対し、基本計画の撤回を求める。

2003年12月22日
核兵器廃絶をめざす富山医師医学者の会世話人会
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世話人代表 片山 喬