(1998.12.16)臨界前核実験強行に抗議し、核実験・開発計画の即時中止を(アメリカ大統領)
アメリカ合衆国大統領 ビル・クリントン 殿
被爆国日本の医師として貴国の臨界前核実験強行の暴挙に抗議し、核実験・開発計画の即時中止を断固として求める
貴殿は12月11日、平和を求め核兵器の緊急廃絶を願う世界の諸国民の世論を完全に無視して、5回目の臨界前核実験を強行した。
唯一の被爆国であり核兵器の悲惨な実態を知る日本の医師としてたび重なる暴挙に強く抗議するものである。広島・長崎の惨禍から半世紀をへた現在、核兵器廃絶の世論は大きくひろがっている。
本年の国連総会では圧倒的多数で核兵器の緊急廃絶を求める決議があいついで採決されている。しかし貴国政府は、これらのすべての諸決議に反対するとともに、核戦力維持と強化のために臨界前核実験をくりかえしている。
また、インド・パキスタンの核実験を非難しながら、一方では核兵器の独占・開発・強化を続けることは国際的な正義と公正に反するものである。
われわれ核兵器廃絶をめざす富山医師・医学者の会は、貴殿に臨界前核実験を含むすべての核実験と核開発の即時中止を重ねて要求するとともに、期限を切った核兵器廃絶のための国際的協議を開始し、核兵器廃絶のため努力することを世界で唯一の被爆国日本の医師として断固求めるものである。 以上
1998年12月16日
核兵器廃絶をめざす富山医師・医学者の会
代表世話人 佐々 学