(1999.10.1)臨界前核実験強行に抗議し、核実験・開発計画の即時中止を(アメリカ大統領)
アメリカ合衆国大統領 ビル・クリントン殿
臨界前核実験強行の暴挙に抗議し、すべての核実験・開発計画の即時中止を求める
貴国は9月30日、平和を求め核兵器の緊急廃絶を願う世界の諸国民の世論を完全に無視して、7回目の臨界前核実験を強行した。
唯一の被爆国であり核兵器の悲惨な実態を知る日本の医師としてたび重なる暴挙に強く抗議するものである。広島・長崎の惨禍から半世紀をへた現在、核兵器廃絶の世論は大きくひろがっている。
昨年の国連総会では圧倒的多数で核兵器の緊急廃絶を求める決議があいついで採決されている。しかし貴国政府は核抑止力に固執し、核戦力の維持と強化を理由にして核実験を繰り返していることは、こうした世界の世論に対する重大な挑戦である。
20世紀が終わろうとしている現在、人類史上最大の負の遺産である核兵器を廃絶することは、21世紀の子孫に対する我々の義務でもある。
われわれ核兵器廃絶をめざす富山医師・医学者の会は、貴殿に臨界前核実験を含むすべての核実験と核開発の即時中止を重ねて要求するとともに、期限を切った核兵器廃絶のための国際的協議を開始し、核兵器廃絶のため努力することを世界で唯一の被爆国日本の医師として断固求めるものである。 以上
1999年10月1日
核兵器廃絶をめざす富山医師・医学者の会
代表世話人 佐々 学