(2003.1.31) 〃 (イラク大統領)
フセイン・イラク大統領 殿
イラクへの武力行使を踏みとどまり 査察継続で国連憲章にそった平和的解決を
国連監視検証査察団によるイラク査察報告書が発表された。報告では多くの疑惑とイラクの非協力が指摘されたが、核兵器やその他の大量破壊兵器の証拠は示されなかった。アメリカやイギリス国内でさえも、国連決議なしの武力行使に反対する声が高まっているにもかかわらず、ブッシュ大統領は1月28日の一般教書演説で、独自の判断でイラクへの武力攻撃を行なう用意があることを宣言した。
国連憲章第7章で謳っている、武力行使は自衛措置以外では安保理決議がなければならないという精神は、人類が悲惨な戦争をくりかえしながら到達した平和への叡智である。そのルールを無視し、自国の利益を最優先させることは、どんな国にも許されることではない。
29日から始まった安保理では、フランス・ドイツを始め、多くの主要国が査察継続を主張している。それに対してアメリカ政府は、査察終了と武力行使を可能にする新たな決議案を策している。いまは査察継続が唯一平和的解決に道を開く手段であり、イラクも疑惑を招かない十分な協力を行なうべきである。
最悪の選択は、ブッシュ政権がイラク攻撃の引金を引き、テロと戦争による報復の連鎖を拡大させ、世界を悲惨な泥沼に引き入れることである。
人間の命と健康を守ることを使命とするわれわれは、アメリカ、イラク、そして国連に加盟するあらゆる国と民族、全てのマスメディア、そして全ての人々に、冷静かつ理性的な対応をするよう呼びかけるものである。
2003年1月31日
核兵器廃絶をめざす富山医師医学者の会世話人会
世話人代表 片山 喬
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富山県保険医協会気付
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