(2003.5.1)米ブッシュ政権の先制攻撃に加担する 有事法案に反対します

声明

米ブッシュ政権の先制攻撃に加担する有事法案に反対します

 昨年の拉致家族帰国報道以来、週刊誌やテレビのワイドショーなどで北朝鮮の否定的情報を目にしない日はありません。今、国民の不安感が熟すの待っていたかのように、政府は有事法案の今国会成立をねらっています。

 法案の「武力攻撃事態」という定義では、武力攻撃の『おそれと予測』も対象となり、日本が実際に攻撃を受けていない場合であっても、自衛隊の武力行使を可能にするものです。さらに先制攻撃を禁止している「国連法規の遵守」の文言も武力攻撃事態法案からは外されています。

 現在、日本を攻撃する意図や可能性のある国家などない、というのが世界の常識です。あるとすれば、アメリカの先制攻撃の出撃基地が日本に存在するが所以の反撃です。したがってこの有事法案は、日本国民を守るというより逆に日本を危険に引きずり込むものであり、アジア諸国にとっては新たな脅威を生み出すものになるでしょう。

 ブッシュ政権が圧倒的な軍事力による先制攻撃を世界戦略の基本に据えた現在、アメリカの力の政策に自国の運命を委ねて自主外交を放棄するのか、それとも平和憲法持つ国として国連中心の世界秩序の回復に積極的な役割を果たすのか、日本は今、問われています。
 私たちは今国会に提出されている有事法案は、日本と日本の周辺諸国を危険にさらすものであり、強く反対するものです。

2003年5月1日
核兵器廃絶をめざす富山医師医学者の会世話人会
世話人代表 片山 喬