(2004.11. 1)邦人殺害の責任の一端は政府に 自衛隊駐留の即時撤退を

内閣総理大臣 小泉 純一郎 殿

イラク邦人殺害の責任の一端は政府に 大義なき自衛隊駐留の即時撤退を求める

 イラクで、武装グループに拘束されていた香田証生さんが遺体で発見された。何の罪のない若者の命を情け容赦なく奪った蛮行に対し、心の底から怒りを覚えると同時に、硬直した日本政府の対応に遺憾の意を表明する。

 小泉首相は、事件直後の武装グループの自衛隊撤退要求に対し、直ちにこれを拒んだ。犯人らが最も危険なグループであることを知りながら、木で鼻をくくったような従来の見解を繰り返しただけである。多くのマスコミが、交渉の余地を残す対応をすべきだったと指摘しているように、小泉首相のかたくなまでの米国一辺倒の姿勢によって、星条旗に包まれた遺体となったことは否定できない。

 4月の邦人人質事件の頃と明らかに情勢は変わっている。6月の暫定政権移譲後、自爆テロや外国人誘拐はむしろ増加している。多国籍軍への攻撃も2月410件だったものが10月は2,400件だという。先月には自衛隊の駐留地であるサマワにもロケット弾が打ち込まれた。米軍よる武装組織への攻撃は、多数のイラク市民の犠牲を生み、またそれが武装テロに対する一定の支持要因となっている。この間に、アメリカ政府自らが「大量破壊兵器はなかった」と発表し、小泉首相のイラク戦争支持の大義は失われた。

 イラクの復興は、武力に頼らない平和的組織の協力のもと、イラク人自身の手で行なわれるべきである。そのために、米軍によるイラク攻撃の中止と、日本政府に対しイラク特措法に基づく派遣期間が12月14日で切れる駐留自衛隊の即時撤退を求めるものである。

2004年11月1日
核兵器廃絶をめざす富山医師医学者の会世話人会
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