(2007. 3.19)北陸電力の臨界事故隠しに抗議し 徹底した安全管理を要求する

北陸電力の臨界事故隠しに抗議し 徹底した安全管理を要求する

 3月15日、北陸電力志賀原発1号機において8年前にわが国初の臨界事故が発生し、さらに事故報告が国や地方自治体にも行われていなかったことが明らかになった。

 各紙の報道によれば、1999年6月18日、定期点検中で停止中の原子炉で制御棒が抜け、臨界事故が発生した。その後の隠ぺいは発電所長らが参加した所内会議で決定し、運転日誌などに事故の記録を記載せず、国や地方自治体にも報告せず、北陸電力本社にも報告しなかったという。同社は事故の原因も十分解明しないまま、同年8月には営業運転を再開している。

 このような重大な事故が発生したにもかかわらず、現場が経営陣に報告できない背景には、経済性を優先し、安全管理をないがしろにしてきた北陸電力の経営姿勢がある。東海村核燃料工場における臨界事故が発生したのは、この事故から3ヶ月後のことであり、もし北陸電力がこの事実を公表していればあの事故は予防でき、尊い二人の生命は失われなかったと思われる。

 昨今では、企業の安全管理義務違反と情報隠しには、いかなる企業といえどその存続が危ぶまれるほど厳しい批判にさらされるようになった。しかし住民は不祥事を起こした北陸電力を拒否し、他の電力会社に変えることが事実上不可能である。それだけに北陸電力の社会的責任は大きく、高い企業倫理が求められる。

 チェルノブイリでは原発を中心とする2600平方キロの地域は今もなお立ち入り禁止、数千人が甲状腺ガンに苦しみ、650万人が汚染地に住み続け深刻な健康被害を受けている。このように原発事故による被害は広大な地域そのものを消滅させることを肝に銘じ、電力会社とそれを管理する国は、あらゆる限りの安全策を講じなければならない。

 県民の命と健康の守り手である富山県保険医協会ならびに核兵器廃絶をめざす医師・医学者の会は、北陸電力の臨界事故隠しに厳重抗議するとともに、同社及び国に対し、徹底した事故の原因究明と予防策ならびに情報公開を求めるものである。

2007年3月19日
富山県保険医協会  会長  矢野 博明
核兵器廃絶をめざす富山医師・医学者の会 世話人代表 片山 喬