(2017. 4. 5)核兵器禁止条約の制定交渉会議に欠席した日本政府に対し抗議する

声明

核兵器禁止条約の制定交渉会議に欠席した日本政府に対し抗議する

 3月27日、「核兵器禁止条約」の交渉会議が国連本部で開催され、100を超える国々が法的拘束力を持つ禁止条約の制定に向け意見を交わしました。ところが唯一の被爆国である日本は各国に対してイニシアティブを発揮するどころか、「核保有国と非核保有国の対立を深め、逆効果になりかねない」として以降の会議を欠席しました。これは被爆者と国民の願いを踏みにじる行為であり許されるものではありません。

 そもそも日本政府は当初交渉参加を表明しており、広島出身の岸田外相は「積極的に参加し主張していきたい」とまで述べていました。しかし同盟国である米国の圧力を受け態度を豹変、昨年10月の国連決議の採択では反対票を投じました。今回の会議不参加とともに、核兵器廃絶を願う多くの国々から深い失望をかったことは、多くの被爆者が暮す日本国の国民としてとても残念で仕方ありません。

 米国の「核の傘」の下にあって核兵器廃絶を訴えることは確かに難しいことです。しかし米国の前大統領は、世界有数の核兵器保有国であるにも関わらず「核のない世界」を訴え行動してきました。日本国には米国の圧力に屈せず核兵器廃絶を訴える勇気を持つことが求められます。

 私たち核兵器廃絶をめざす富山医師・医学者の会は、人々の健康と生命を守る医師・歯科医師の立場から、核兵器の廃絶に向けて長年取り組んできました。私たちは今回の条約制定が核兵器廃絶に極めて大きな意義を持つと考え、日本政府に対し6月に再開される条約交渉会議に参加し、核兵器の禁止と完全廃絶に向けて積極的な役割を果たすことを強く求めます。

2017年4月5日
核兵器廃絶をめざす富山医師・医学者の会 世話人会
世話人代表 金井 英子