(2003.2.25)憲法と世論にこたえ、勇気をもって米政府に戦争回避の説得を

内閣総理大臣 小泉 純一郎 殿

日本国憲法とイラク攻撃反対の世界世論にこたえ、勇気をもって米政府に戦争回避の説得を

 日本政府は、先の国連安保理公開討論でイラクに対する査察を打切り、武力行使を前提とした新たな決議の採択を主張した。圧倒的多数の国々が査察継続支持を表明するなか、明確な根拠も示さずブッシュ政権を擁護する姿は、はたして日本外交の独自理念を世界に示したと言えるであろうか。

 政府は北朝鮮の脅威を想定してイラク攻撃を正当化しているようであるが、それは米国の陥った泥沼に日本をのめり込ませるだけである。武力による国際紛争の解決を放棄した日本国憲法よりも日米安保を優先するような現在の姿は、「国益」を叫んで戦争に突き進んでいった暗黒の時代を想起させるものである。

 世界で嵐のように渦巻いている戦争反対の意思表示は史上最大と言われる。その多くはソ連崩壊以後のアメリカの一国主義に対する警鐘である。このままでは、ブッシュ政権は世界から孤立し、国連による解決という人類の築き上げた平和への叡智を粉々にしてしまうであろう。日本は、アメリカの友好国として、勇気をもってアメリカのとるべき道を諭し、国連の合意に基づく解決をめざすことこそ平和国家日本としての役割である。

 人間の命と健康を守ることを使命とするわれわれは、日本政府にたいしその役割を果たすよう要請するものである。

 

2003年2月25日
核兵器廃絶をめざす富山医師医学者の会世話人会
世話人代表 片山 喬
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