(2004.2.3)イラクへ派遣した自衛隊本隊は撤収すべき

内閣総理大臣 小泉 純一郎 殿

イラクへ派遣した自衛隊本隊は撤収すべき

 本日午後、ついに陸上自衛隊本隊が新千歳空港を出発した。戦後、国際紛争を解決する上で武力による威嚇と行使を放棄してきた日本にとって、歴史のターニングポイントとなる瞬間であった。この間の小泉内閣によるイラク派兵までのプロセスは、反対する国民はもとより復興支援は必要という立場から見ても、あまりにも理不尽なやり方と言わなければならない。

 小泉内閣が昨夏成立させたイラク特措法は、派遣先が戦闘状態にないことを前提に、国権の最高機関である国会の承認を必要としている。そのもっとも重要な判断材料である先遣隊の報告書が、あらかじめ外務省と防衛庁の間で意図的に作成され、都合の悪い事実は隠蔽された。さらに事実の精査を行なわない小泉首相と石破防衛庁長官は、国会で答弁を再三変えたあげく、質問中に強行採決を行なった。戦争に突き進む時代とは、こういうものなのかと多くの国民は不安と怒りを抱いている。

 そもそもイラクに復興支援が必要になった原因は、国際法に違反したアメリカの一方的な武力攻撃である。その大義として当初ブッシュ大統領は9・11との関係を言い、次は大量破壊兵器になった。それが見つからないとなるとフセイン政権の打倒に変わった。今、米国調査チームの責任者だったケイ氏の証言によって、先制攻撃の大義が根底から崩れているとき、やみくもに米国との関係を最優先してはばからない小泉内閣と与党の姿勢は、日本を国際社会から孤立させ、真の国益とはならないものである。

 われわれ核兵器廃絶をめざす富山医師医学者の会は、日本政府に対し、自国の利益と唯我独尊の判断で核の先制攻撃も辞さない米ブッシュ政権への盲目的な追随をやめるよう求める。また、イラク占領軍の指揮下に置かれる自衛隊を速やかに撤収させ、国連を中心とした枠組みのなかで、非軍事によるイラク復興支援、人道支援を行なうよう求める。

2004年2月3日
核兵器廃絶をめざす富山医師医学者の会世話人会
連絡先:富山市桜橋通り6-13 フコクビル11F
富山県保険医協会気付
電話 076-442-8000
世話人代表 片山 喬