(2017. 9. 5)北朝鮮による核実験に抗議し 日本政府および各国の冷静な対応を求める

声明

北朝鮮による核実験に抗議し 日本政府および各国の冷静な対応を求める

 9月3日、北朝鮮は国営メディアを通じ6度目となる核実験の実施を発表しました。今回は大陸間弾道ミサイルに装着する水素爆弾の実験であるとしています。同国はこの間、度重なる弾道ミサイル発射実験を行ない、日本はじめ周辺各国の強い批判を受けてきましたが、今回のさらなる暴挙はこの国際社会の指摘に真っ向から背くものであり、北東アジアと世界の平和・安全を脅かす野蛮な行為はけっして許されるものではありません。

 北朝鮮にとって安全保障上の最大の問題は、国際社会から孤立し、軍事力に依拠した「瀬戸際外交」を続けていることにあります。同国にとって最も効果のある安全保障は、ただちに核開発を中止し、軍事的な挑発をやめ、周辺各国と平和友好の外交関係を築き、国際社会への復帰を本気でめざす道です。

 一方、北朝鮮とアメリカおよび同盟国による軍事的挑発の応酬は、互いの緊張をいたずらに増すだけであり、事態の解決にいっさい寄与しないことは、人類の戦争の歴史とその反省からも明らかです。日本政府には、アメリカと歩調を合わせて北朝鮮に軍事的圧力をかけるのではなく、被爆国として核兵器全面禁止を提唱し、問題の平和的解決に向け、冷静に粘り強く働きかけ続けることが求められます。

 核兵器廃絶をめざす富山医師・医学者の会は、あらゆる国の、いかなる形態における核実験をも全面的に禁止し、核兵器を緊急に廃絶することを求めてきました。私たちは人々の健康と生命を守る医師・歯科医師の立場から、北朝鮮に対しただちに核兵器と弾道ミサイルの開発をやめ、その計画をすべて破棄するよう強く求めます。

2017年9月5日
核兵器廃絶をめざす富山医師・医学者の会 世話人会
世話人代表 金井 英子