(2003.5.7)北朝鮮は核開発をただちに中止し 平和と友好による国際社会への復帰めざせ
声明
北朝鮮は核開発をただちに中止し 平和と友好による国際社会への復帰めざせ
北朝鮮は4月末の米韓中三国協議において、実質的な核保有宣言を行ないました。これは、核拡散防止条約(NPT)や1992年の朝鮮半島非核化共同宣言に反し、また昨年9月の日朝平壌宣言でうたった「朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守する」という精神を裏切る行為です。
核兵器の開発や実験、配備、使用などを許さない立場で活動してきた私たちは、核兵器による威嚇を国際外交の道具に使うやり方に対し、強く抗議するものです。
そもそも北朝鮮にとっての安全保障上の問題は、国際社会から孤立していることであり、その原因は国内における悲惨な人権状況と、国際的な無法行為を清算しないまま、瀬戸際外交を続けていることにあります。
国連人権委員会は北朝鮮の人権状況の改善を促す決議案を採択しました。また日本人拉致問題についても、その事実は認めたものの国家的犯罪に対する反省はなく、真相究明を求める声にも誠意を見せていません。
イラク戦争で実証されたように、先制攻撃を辞さない米ブッシュ政権とのポーカーゲームは自殺行為であり、周辺国をも危険にさらす愚かな選択です。北朝鮮にとって最も効果のある安全保障は、ただちに核開発を中止し、周辺各国と平和友好の外交関係を築き、国際社会への復帰を本気でめざす道です。
私たちは北朝鮮に対し核開発の即時中止と平和的手段による問題解決をはかるよう強く求めます。
2003年5月7日
核兵器廃絶をめざす富山医師医学者の会世話人会
世話人代表 片山 喬